筋トレやダイエットで体づくりをしている人にとって、メンテナンスカロリーを上手く活用することは非常に重要です。メンテナンスカロリーを知らずに体づくりを成功している人が見たことがありません。私も自分のメンテナンスカロリーを知った上でフィジークの大会前の原料に臨みました。
この記事では、メンテナンスカロリーの求め方だけではなく、減量期・増量期・維持期別のフェーズごとの活用方法についても解説します。
2023年8月にフィジーク大会に出場した時の全データをnoteで公開しているので、ぜひご覧ください!
減量期間や体重の推移、実際の食事まで全て公開しています。このnoteを読めば、フィジーク大会の全てが分かります。
メンテナンスカロリーとは?
メンテナンスカロリーとは、体重を維持するための最低限のカロリーのことです。体重が増えもせず減りもせず安定させるためには、摂取カロリーと消費カロリーが均衡している必要があります。この均衡状態を保つためのカロリーがメンテナンスカロリーです。
減量したり増量したりする上でメンテナンスカロリーを知ることは非常に大事です。メンテナンスカロリーを基準に食事を調節することで痩せることも太ることもできるからです。
メンテナンスカロリーの計算方法
メンテナンスカロリーは以下の3STEPで算出することができます。活動レベルはその日の活動量で変わる指標なので、参考程度にしてみてください。
- 基礎代謝を計算する
- 活動レベルを計測する
- 基礎代謝×活動レベルで算出
基礎代謝を計算する
基礎代謝は、生命を維持する上で必要な最低限のエネルギー量です。年齢、性別、体重、身長に基づいて計算され、生きているだけで何もしなくても消費されます。筋肉量が多い人は基礎代謝が高いです。基礎代謝を正確に知ることは、メンテナンスカロリーを計算する上で非常に重要です。
活動レベルを計測する
活動レベルは、日常生活や運動によるカロリー消費量を反映します。仕事がデスクワークか、立ち仕事か、または運動をどの程度行っているかによって、必要なカロリー量は大きく変わります。
活動レベルに応じて基礎代謝に乗算する係数が異なります。以下の指標を参考にして、自分の活動レベルに当てはまる係数を見つけてください。
ほぼ運動しない (基礎代謝 × 1.2)
→生活のほとんどを座って過ごしている。
軽い運動 (基礎代謝 × 1.375)
→座って活動する時間が多いが、通勤や家事など生活活動をする
中程度の運動 (基礎代謝 × 1.55)
→週に3~4回程度の運動・トレーニングをする
激しい運動 (基礎代謝 × 1.725)
→週に4~5回激しいトレーニングをする
非常に激しい (基礎代謝 × 1.9)
→週に6回以上激しいトレーニングをし、日常生活でも移動や立って仕事をすることが多い
基礎代謝×活動レベルで算出
メンテナンスカロリーは、基礎代謝と活動レベルを考慮して算出されます。基礎代謝に活動レベルに応じた係数をかけ合わせることで、日々の生活で必要な総カロリー量が計算されます。この数値を基に、食事計画や運動計画を立てることができます。
計算したメンテナンスカロリーが正しいとは限らない
メンテナンスカロリーの計算はあくまで推定に過ぎず、個人の生活習慣や体質、運動量によって大きく変わることがあります。また、年齢や代謝率の変化によってもメンテナンスカロリーは変動します。
そのため、計算したメンテナンスカロリーを基準にしても、期待通りの結果が得られないことがあります。定期的な体重や体脂肪率のチェック、食事内容の見直しを通じて、個人に合ったメンテナンスカロリーを見つけ出すことが重要です。
【目的別】メンテナンスカロリーの活用法
メンテナンスカロリーは自分のフェーズに合わせて上手く活用することが重要です。今回は、増量期・減量期・維持期の3つのフェーズに分けて、それぞれの活用方法を解説します。
増量期
増量期では、筋肉を増やすために必要な栄養素を確保しつつ、体重を徐々に増加させることが目標です。メンテナンスカロリーよりも高いカロリーを摂取することが重要です。メンテナンスカロリーよりも少ないカロリーでは筋肉を増やすことができないためです。
増量が初めての方は、メンテナンスカロリーに500kcalを上乗せしたカロリーから始めてみてください。1か月ほどそのカロリーで生活した後に自分の体重の増減を見て、カロリーを調整してみてください。
一気にカロリーを増やしてしまうと無駄な脂肪がついてしまうので注意してください。
減量期
減量期の主な目的は体脂肪を減らしつつ、できるだけ筋肉量を維持することです。そのためには、メンテナンスカロリーよりも少ないカロリーを摂取する必要があります。
まずは、メンテナンスカロリーから500kcal減らしたカロリーから始めてみてください。2週間ほど様子を見て、体重が思い通りに落ちていればそのカロリーのまま生活をしましょう。逆に体重が減らない、減りすぎている場合はカロリーの調整が必要です。
減量期には、高タンパクで艇脂質な食事を心掛け、カロリーを落とすことが重要です。
維持期
維持期は、筋肉を減らさずに体重を維持する期間です。日々のメンテナンスカロリーを正確に把握し、その範囲内でカロリー摂取を調整することが重要です。食事の質にも注意を払い、バランスの取れた栄養摂取を心掛けることで、筋肉を残して体重をキープすることができます。
維持期は自分のメンテナンスカロリーを探すために一番最適な期間のため、ここで正確なメンテナンスカロリーを探し当てましょう。
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痩せないときの対処法
メンテナンスカロリーを計算して、そのカロリー以下の食事をしていても痩せないことがあります。
- PFCバランスを意識する
- 食事だけではなく筋トレをする
- メンテナンスカロリーを見直す
- カーボサイクルを試す
PFCバランスを意識する
体重が減らない時は、PFCバランス(タンパク質、脂質、炭水化物の割合)を見直すことが有効です。特にタンパク質の摂取を意識することで、筋肉量を維持しつつ脂肪の燃焼を促進させることが可能です。
また、複合炭水化物を選び、簡単に消化される糖質の摂取を控えてインスリンの急激な上昇を抑え、より効率的に体脂肪を減らすことができます。
複合炭水化物は、「GI値」が低く血糖値が上がりづらいです。なので、無駄な脂肪がつきづらいのです。玄米やさつまいもなどの炭水化物がオススメです。
脂質についても、魚やオリーブオイルなどの良質な脂質も適量を摂取することで全体のエネルギー代謝を高めることができます。
食事だけではなく筋トレをする
減量においては食事の管理だけでなく、適切な運動、特に筋力トレーニングの取り入れが重要です。筋トレを行うことで基礎代謝量が増え、休息時のカロリー消費量が上がります。これにより、多くのカロリーを消費しやすくなり、効率的な体脂肪の減少に繋がります。
また、筋肉量が増えることで見た目の改善にも効果があり、カッコいい体を手に入れることができます。
メンテナンスカロリーを見直す
体重が減らない時は、メンテナンスカロリーの見積もりが正確でない可能性があります。活動量の変化や年齢によって、大きく変わるためです。
この場合、現在の食事内容や運動量をもう詳しく記録し、メンテナンスカロリーを再計算するようにしましょう。必要であれば、トレーナーなどの専門家に相談することで、より正確な数値を把握し、個人に合った食事や運動計画を立てることができます。
カーボサイクルを試す
メンテンナンスカロリーを下回るカロリーで生活をしていても体重が減らない場合があります。それは、体が低いカロリーに慣れてしまい省エネで活動するようになってしまうときです。
その場合は、炭水化物量を日によって変化させることでカロリーを揺さぶり、体を慣れさせないようにしましょう。
私の場合は、中炭水化物(約200g)→低炭水化物(約100g)→高炭水化物(300g)を繰り返しています。ここでのポイントは、炭水化物量を日によってしっかりと差をつけることです。炭水化物量を数十gしか変化をさせない場合は体が反応しづらいためです。
【実例】173cm70kgのメンテナンスカロリー
先程紹介した計算方法を使って、30歳173cm70kgのメンテナンスカロリーを算出します。
まずは基礎代謝計算サイトで基礎代謝を計算します。
計算サイトで算出した基礎代謝は1,686kcalです。私は週に4~5回激しいトレーニングをするので激しい運動 (×1.725)を基礎代謝にかけ合わせます。
1,686kcal✕1.725=2,908kcal
ここ算出したメンテナンスカロリーから300kcal下回ったカロリーで2週間生活しましたが、全く体重が変わりませんでした。なので、私のメンテナンスカロリーは2,900kcal-300kcalの2,600kcalであることが分かりました。
計算で算出したメンテナンスカロリーをもとに実際に生活して、体重の変化を計測することで実際のメンテナンスカロリーを知ることができるのです。
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